バリューチェアは、内田洋行により1996年にリリースされました。コアチェア・ジャストチェアに続く、内田洋行のニュービジネスクラスチェア第3弾として発売されています。コア・ジャスト・バリューは姉妹品であるというわけです。バリューチェアの当時の価格は24,800円よりとなっていました。
バリューチェアの大きな特徴は3点あります。 (1)座背面クッションの簡易交換 (2)背面部の上下機構(ストローク40㎜) (3)廉価である事 (1)はコア・ジャスト・バリューに共通する仕様です。オフィスチェアを構成する部材の中でも、汚れや破れにより損耗が早い座背面クッションを簡便に交換できる構造により、製品寿命を長くしています。 (2)はオフィスチェア全般の中でも珍しい機構です。背面のダイアルを緩める事で背面部の上下位置を調節でき、再度ダイアルを締める事で固定します。同様の機構を持つ製品としてオカムラ・CG-Eが挙げられます。 なお、異なる機構で背面部の上下位置を調整できるオフィスチェアとして、Confort Seating社のエルゴヒューマンチェア、Stealcase社のLet'sBチェア、イナバインターナショナルのインフィニアチェアなどがあります。 その上で(3)に注目してみます。(1)で優れた保全性を実現し、(2)でオフィスチェアとして他製品と明確な差別化がなされているにもかかわらず、バリューチェアの価格は30,100円(税抜)よりで設定されていますし、シリーズ内の最大価格でも37,400円となっています(ハイバック・肘つき。税抜)。価格性能比で考えると、驚嘆に値するコストパフォーマンスを誇っていると考えていいでしょう。 強いて難点を挙げるとすれば、ロングラン製品であるバリューチェアは、現在から考えると、座背面クッションのカラーバリエーションがやや乏しいという側面があります。これは、オフィスチェアのカラーリングが多彩になるより早い段階で開発された製品である事の影響が大きいでしょう。
中古市場でもバリューチェアは活発に流通しています。これは、新品バリューチェアの需要が一定以上に高い事を意味しています。 バリューチェアの中古価格は、背面がハイバックかローバックか、また肘つきか肘なしかにもよりますが、概ね5,000円~7,000円前後が相場となっているようです。