本稿では「オフィスメーカーのカタログ価格で、シリーズ内最大価格が15万円前後のオフィスチェア」を“高級オフィスチェア”とカテゴライズし、大まかに解説していきます。
オフィス家具メーカーの総合カタログのオフィスチェア掲載ページにおいて、前の方のページで紹介されているシリーズは、高機能・高価格帯のものが多い傾向があります。こういったシリーズは、各メーカーにとってフラグシップともいうべき位置づけです。 「IT革命」または「情報爆発」と形容される大きな転換がオフィスに到来したのが1995年前後の事でした。主要オフィス家具メーカーがこの時期に開発して今も販売を続けているロングランシリーズは、カタログ上の価格で1脚10万円を切るくらいの価格設定がされています。オフィスチェアの価格を考える上で、これはひとつの目安になっているように思います。
いわゆる「国内4大オフィス家具メーカー」として知られている、イトーキ、内田洋行、オカムラ、コクヨがそれぞれ高級オフィスチェアを取り扱っています。これにに加えて、ハーマンミラー、スチールケース、ヴィトラなどの海外メーカーが高級オフィスチェアのブランドとして名前が挙がります。 また、国内外を問わず、独自に高価格帯のオフィスチェアを開発・販売するメーカーも少なからず存在しています。
標準的なオフィスチェアであっても、個人ではなく法人が購入する製品であるためか、定価ベースで考えると決して安価とはいえません。名のある国内メーカーの製品であれば、安価なものでも3万円~5万円、1世代前に標準だったものや、現在の標準の廉価タイプであれば6万~9万円くらいです。 現在の標準的な機能のものであれば10万円~15万円。このワンランク上以上が高級オフィスチェア、というイメージです。なお、エグゼクティブ仕様のオフィスチェアとなると、もはや価格は天井知らずとなっていきます。定価ベースであれ、1脚50万円となるとただ驚くばかりです。
オフィスチェアの機能は日進月歩で進化しています。当初は高価格帯のチェアに搭載されていた機能も、現在では比較的安価なチェアでも実装されるケースがしばしばあります。 そう考えますと、「現在標準的となっているチェアの、半歩先、一歩先を行く機能を付与されているチェア」が高級オフィスチェアである、ともいえるでしょう。 具体的な事例を別稿にて解説しますので、合わせてご参考ください。