本稿ではそれぞれの天板の形状からワーキングデスクの選び方を提案します。
ワーキング用のオフィスデスクを天板の形状により区分すると、概ね次のようになります。 ○矩形(長方形) ・1人用オフィスデスク(平机・片袖机・両袖机) ・フリーアドレスデスク ○非矩形 ・L型デスク・ブーメランデスク・オペレーションデスク オフィスデスクの形状はそれぞれ、ユーザーの職務内容やワークスタイルに適応する形で発展してきたものといえます。逆をいうなら、オフィスデスクの特徴を形状から捉える事で、ワークスタイルごとに適したオフィスデスクを選ぶ参考になります。
1人用矩形デスクはオフィスデスクの基本です。対面対向式のレイアウトは日本でポピュラーです。電気や通信の配線をいかに行うかが、使い勝手のポイントになります。配線用の自立ダクトなどを用いる事で、利便性が向上します。 ○平机 平机+デスクインワゴンの組み合わせは、オフィスデスクで最も汎用性が高いといえます。 天板の高さが可変のレベルアップワゴンを用いれば、L字デスクの代用にも。 ワゴンを用いない場合には、下肢空間が広く取れます。 ○片袖机 袖机の収容力は、一般にデスクインワゴンを上回ります。 個人保管の文書が常時一定量以上ある場合に、片袖机が有効です。 ○両袖机 上長席として用いられる事が多い両袖机ですが、 片袖机を上回る収容力のため、一般職向けに配置される事もあります。 1人用デスクは、人員の増減に併せて台数やレイアウトを調節する必要があります。
1人用矩形デスクは整然と並べて対面対向式の“島”をレイアウトしますが、フリーアドレスデスクは“島”そのものをひとつの大きなデスクで作り、共用するものです。席を固定しないという発想のため、袖机は存在せず、デスクインワゴンを用います。配線ダクトが整っているのも特徴のひとつです。 人員の増減を吸収しやすい構造ですが、一方でレイアウト変更の際は解体・組み立てなどを伴う大掛かりな移動になりがちです。
非矩形のオフィスデスクは全般的に、ワーカーへより広い執務スペースを提供する事で、ワーカーの利便性を高めているものといえます。 L型デスクやブーメランデスクなどは、ワーカーが着座したまま体の向きを変えるだけで、ふたつのデスクを使っているかのように執務する事ができます。オペレーションデスクもまた、天板を拡張する事で、パソコン業務の補助となるよう設計されています。 “島”を構成する事もできますが、非矩形であるため大きな長方形の“島”にはなりません。グループワークよりも個人業務に特化したオフィスデスクといえます。
オフィスデスクを購入するきっかけは、起業・買い増し・移転・拠点開設と、大まかに4つのパターンがあります。動機と規模とレイアウトとをすりあわせれば、その時に望ましいオフィスデスクの選択はおのずと絞られるのではないでしょうか。