耐火金庫とは、火災が発生した際に、中に入れている物が焼失してしまわないように、庫内をある一定の温度以下に維持できる性能を持った金庫の事です。ただし耐火性能には時間の限りがあり、何十時間もの火災下にあっても耐えられるわけではありません。
では、耐火金庫はどのくらい時間、火災に耐えられればよいのでしょうか? ひとつの目安は1時間です。火事が発生してから消火活動が開始されるまでの時間は概ね15分以内、消火活動が開始されて鎮火するまでの時間が30~40分といわれています。つまり、活性した火災が消火されるまでの時間は、およそ1時間という事になるのです。 市場に流通している耐火金庫の多くも、耐火時間が1時間に設定されている製品が多い傾向があります。短いものであれば30分、長いものだと最大4時間の耐火性能を有している金庫もあります。
ところで金庫の耐火性能の基準はどのように定められているのでしょうか? これについてはメーカーが独自の基準で決めているわけではなく、公的機関である日本セーフ・ファニチュア共同組合連合会(日セフ連)によって決められています。 日セフ連では、金庫に入れる様々な物の種類(紙文書や電子媒体など)ごとに火災に耐えられる温度を設定し、庫内温度をその水準以下に維持できるかどうかによって耐火性能としています。 耐火性能の基準の一例を挙げると、一般的な紙文書に対しては加熱試験中および炉内冷却中に内部温度が177℃以下であるものとされ、磁気テープ用の耐火金庫に対しては加熱試験中および炉内冷却中に内部温度が66℃以下および内部湿度が85%に保たれる物とされています。 近年では使用される機会が減ってきているフロッピーディスクに関しても基準があり、加熱試験中および炉内冷却中に内部温度が52℃以下および内部湿度が80%に保たれる物とされています。
耐火金庫は、エーコーやダイヤセーフなどのメーカーが作っていますが、金庫に入れる物によって求められる耐火温度が異なるので、必要に即した耐火性能を持った耐火金庫を選ぶ事が、大事な物を火災から守る最良の手段となるのです。 耐火金庫を選ぶ際は、 ①万が一の火災から守りたい物は何か? (例:現金、証券、宝石類、データメディア等) ②火災を避けたい時間はどれくらいか? の2点をまず決めてから、金庫の大きさや重さを加味して、予算に合う金庫を選定するとよいでしょう。
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