オフィスで用いられるカウンターは、高さによりハイカウンターやローカウンターと分けられます。高さによる区分を、訪問側と受付側とのどちらが高いのかで、さらに分けると以下のようになります。 凡例)A-Bカウンター A:訪問側の高さ B:受付側の高さ ①ハイ-ハイカウンター(両方高いハイカウンター) ②ハイ-ローカウンター(訪問側が高いハイカウンター) ③ロー-ローカウンター(両方低いローカウンター) ④ロー-ハイカウンター(受付側が高いハイカウンター) ④に該当するカウンターは存在しませんので(代わりに、カフェカウンターやバーカウンターなど、訪問側がカウンターチェアに座って用いるハイカウンターがあります)、実質的には①~③のみっつがある事になります。 ここで注目したいのは、それぞれのカウンターを挟んだ際に、 訪問側と受付側との間に発生するテンポです。 ①のハイ-ハイカウンターの例として、 真っ先に思い起こされるのは、ファストフード店のカウンターです。 双方ともにいわゆる「駆け足」になります。 ②のハイ-ローカウンターは、銀行や郵便局のカウンターです。 カウンターの受付側はオフィスデスクも兼ねており、訪問側の用件に応じて、 必要な事務手続き、可能であればその席でを行います。 ③のロー-ローカウンターは、さまざまなオフィスに置いて、 相談窓口(コンサルティングカウンター)として設けられています。 双方が腰を落ち着けて、ゆったりと話し合う時に用いられます。 こうやって見てみると、カウンターは、時間の調整弁としての機能も担っているように思われます。
次に、オフィス向けカウンターの、モノとしての機能を捉えてみます。 これは大きく3種類が挙げられます。 Ⅰ 機械的機能 作業机としての機能。 カウンター本体に付与された収納や配線ダクトなど。 Ⅱ 空間的機能 境界線としての機能。 フラップドアやセキュリティなどもここに含まれる。 Ⅲ 演出的機能 訪問者さまに向けた演出装置としての機能。 カウンターやカウンターチェアの色・形・高さなど。 具体的な機能のうち、デスクトップモニターや受付番号標示板は、訪問側と受付側とを繋ぐインターフェースといえる点から、またサイドパネルは、空間を隣席と分けつつ相談窓口の場を演出している点から、それぞれⅡとⅢにまたがった機能であると見なせます。 カウンターはすなわち接客が行われる場所です。 より実りある接客を生みだすために、事業に即してこれらの機能を活用する事が大切です。