カウンターは“counter”と綴り、語源を遡ってみると“table where a money lender does business,(mid-14c.)”と説明されています。14世紀のころ、金融を営む人が仕事を行った台、といったところでしょうか。お金をカウントするところだから「カウンター」というわけです。 さらに「カウンターという台」をクローズアップして見てみるなら、事業者が顧客と対面する台、という見方をしてもいいでしょう。 つまり、カウンターは単なる作業台ではありません。 空間を、受付側と訪問側とに分ける境界線であり、 同時に、両者が接する前線でもあるのです。 台を挟んで接客が行われる時、その台はカウンターであるといえます。小売店にも飲食業にも官公所にもカウンターはありますし、サービス産業のオフィスにもカウンターがあります。そのいずれにおいてもいえるのは、カウンターをもって、スタッフとカスタマーとは一線を画されている、という事がまずひとつ。 さらにいいますなら、カウンターが描く一線は、その事業所という空間に演出を与えている、重要な舞台装置でもあるのです。描く境界線がシャープなカウンターと柔かなカウンターとでは、訪問者さまが受ける印象も変わってくるのではないでしょうか?
オフィス向けのカウンターには大きくみっつの側面があります。 ・機械的機能 作業机としての機能。収納・配線など。 ・空間的機能 境界線としての機能。フラップドアやセキュリティなどもここに含まれる。 ・演出的機能 訪問者さまに向けた演出装置としての機能。色・形・高さなど。 カウンターはすなわち接客が行われる場所ですので、より実りある接客を生みだすために、事業に即してこれらの機能を活用する事が大切です。
幸いな事に、オフィス家具メーカーの総合カタログを参照してみると、オフィス向けカウンターの品揃えは、オフィスチェアや物品棚などと比較すると、目移りするほどに豊富なわけではありません。厳選された選択肢から、落ち着いて比較検討ができるといえるでしょう。 どちらかというと、「どんなカウンターを導入するか」よりは、「事業所をどんなレイアウトにするか」の方が悩みどころになるのではないでしょうか? どんなカウンターをというより、カウンターをどう使うか、という問題になりそうです。 オフィス用のカウンターはたいへん自由度が高いのです…究極的には、「造作」という手段もありますものね。