“シリンダー(cylinder)”は「回転する筒」を意味する言葉です。 シリンダー錠はロッカー限らず、オフィスデスクやスチールキャビネットなど、オフィス什器一般に幅広く用いられています。ご家庭用の鍵としても普及しているシリンダー錠は、錠の基本であるともいえるでしょう。 シリンダー錠は、外筒・内筒という二重の筒から成り立っていて、内筒は回転できるようになっています。この内外二重の筒にまたがるように“タンブラー”と呼ばれる障害が組み込まれており、これが内筒の回転を阻害します。内筒には鍵穴が空いており、鍵穴に正しい鍵を差し込んだ場合のみ内筒が回転します。 内筒の回転に連動して錠が外れる、という仕組みになっている錠がシリンダー錠です。オフィス家具のシリンダー錠に使われるタンブラーは、複数のスプリング式のピンが直線状に並んで構成されており、ピンタンブラー錠とも呼ばれます。ピンタンブラー錠は欧米圏で長い歴史があります。 余談ですが、“タンブラー(tumbler)”という言葉の語源は、カフェなどで導入されている「持ち歩けるフタつきのコップ」であるタンブラーと同じであるようです。どちらも17世紀後半には文献に記録が現れています。
オフィスで用いられるシリンダー錠は、ブレードの形状によりふたつのタイプがあります。ブレードの片側にだけ山が切られている片切りタイプと、同じく両側に切られている両切りタイプです。 一般に、両切りは片切りに比べ複製やピッキングが困難であり、セキュリティ性がやや高いといえます。鍵の複製価格を相対的に見ると、片切りは安価に、両切りは高価である事が多いようです。 また、鍵の型式によっては、鍵業者による複製が不可能である場合もあります。こういった場合は、家具メーカーからの取り寄せになります。 鍵と鍵穴とは1:1の関係にあるように見えますが、複数の鍵穴を解錠できるマスターキーが存在します。ピンタンブラーには、第2の解錠位置を設定する事も可能なのです。 この第2の解錠位置が複数のシリンダーで共通していた場合、1本の鍵で複数のシリンダーを解錠できる事になります。これがマスターキーであるというわけです。 ピンタンブラーに第3以降の解錠位置を設定する事も、技術的に可能です。グランドマスターキーと呼ばれるそうです。部署ごとにマスターキーを、社内全体用にグランドマスターキーを用意している事例があります。
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